ビゼー・・・その2
オペラ《カルメン》
しかし、現在、これほど愛されているこのオペラも、初演のときには、物語が血なまぐさい殺人劇を扱ったものだったため、「舞台にかけるのには、常軌を逸した作品」、「医者の研究材料には良い」という具合に、相当な悪評をあびたのである。
だが、哲人二ーチェは、このオペラを20回も見て「かつて舞台の上で、これ以上痛ましくこれほど悲劇的なものが聴かれたであろうか」と絶賛しているほどだ。
また、チャイコフスキーも、「このオペラは、かならずや世界を征服するだろう」と予言し、そのときの感激が、やがて、彼の名作オペラ《エフゲニー・オネーギン》を生むのである。